中国ECサイトの代表的な運営会社・越境ECの運営代行会社を一挙紹介!

Business people analyzing documents and discussing business strategy at conference room.

「中国ECサイトを運営する会社を知りたい」「中国向け越境ECの運営代行会社が気になる」

このような疑問や悩みをお持ちの方もいるはずです。中国ECは市場規模が世界一大きいため、参入できれば巨大なシェアを獲得できるチャンスがあります。

しかし、中国ECで成果を出すのは容易ではありません。現地の顧客ニーズや中国ECサイトの理解が必要です。サイト運営の際には中国語を用いる必要もあるため、代行会社に運営を任せるという手もあります。

そこで本記事では、中国ECモールを運営する代表的な会社、おすすめの運営代行会社を解説します。

中国越境ECの市場規模は世界で最も大きい

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越境ECの市場規模は世界的に拡大し続けています。その中でも、EC市場のシェアを最も獲得しているのは中国です。

経済産業省における「令和2年度 電子商取引に関する市場調査」では、日本・アメリカ・中国の3か国間における越境EC電子商取引の市場規模を公表しました。

その調査において、中国消費者による日本事業者からの越境EC購入額は1兆9,499 億円(前年比17.8%増)、アメリカ事業者からの越境EC購入額は2兆3,119 億円(前年比15.1%増)でした。

また、日本・アメリカ・中国それぞれの越境EC市場規模は以下の通りです。

越境EC 購入額 伸び率
日本 3,416億円 7.6%
アメリカ 1兆7,108億円 9.9%
中国 4兆2,617億円 16.3%

引用:電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました|経済産業省

このように、越境ECの市場規模においては中国が圧倒的であり、日本と比べて10倍以上の差があります。

そんな巨大なシェアを持つ中国越境ECに参入すれば、自社商品を多人数にリーチすることが可能です。自社商品の認知度を上げることで、結果的に販売数を大きく伸ばすことができるでしょう。

これらのことから、越境ECへ参入するにあたって、中国ECの市場調査は欠かせません。参入する前に、中国の有名ECモールを必ず押さえておきましょう。

中国向け越境ECに参入する3つの方法

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中国ではECモールの影響力が強い一方、自社サイトでの売上は非常に少ないという特徴を持ちます。その点を踏まえて、以下3つの参入方法を確認してみてください。

方法1.自社ECを立ち上げる

1つ目は、自社ECを立ち上げる方法です。最も難易度の高い方法ではありますが、ECサイト内のデザインを自由に決められます。また、自社商品のみを訴求できるため、購入した顧客と継続的な関係を持つことができるなど、さまざまなメリットが見込めます。

とはいえ、自社サイトを構築する場合、国内のECベンダーに依頼し、多言語化に対応させなければなりません。特に中国向けECサイトを構築する際は認知度が重要となるため、自社でマーケティングを行う必要もあります。

これらのメリット・デメリットを踏まえた上で、自社ECの立ち上げを検討しましょう。

方法2.国内モールを活用する

2つ目の方法は、国内モールの活用です。国内のAmazon、楽天、Yahoo!ショッピングでの出品がこれに該当します。

既存システムを活用するだけなので、ほかの方法に比べて容易に出店可能です。すでに認知度があるため、販売数を伸ばしやすい傾向にあります。

しかし、自社のこだわりを出しづらく、デザインやシステムを自由に変更できません。販売数に応じた手数料や初期費用がかかるなど、それらデメリットを考慮した上で検討しましょう。

方法3.中国モールを活用する

中国モールを活用するという手もあります。現地の中国人は自国のECを利用することが多いため、中国モールを活用すれば中国人に直接アプローチできます。また、商品の在庫を現地で管理すれば、発送時間を短くすることが可能です。ただし、中国モールを利用する際には、中国語の理解が求められます。

さらに、中国での主なECモールは中国に法人を持たない企業の出店を認めていません。中国に法人があったとしても、厳しい条件が設けられている場合もあります。そのため、これから中国モールの活用を考えている方は、これら条件をあらかじめ確認しておきましょう。

中国ECモールを運営する代表的な会社3選

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中国ECモールを運営する大手会社を3つ紹介します。

  1. アリババグループ
  2. 京東商城(JD.com)
  3. 拼多多(​​Pinduoduo Inc.)

中国モールの活用を考えている方は、以下詳細を必ずご確認ください。自社に適した中国モールを見つけられるはずです。

1.アリババグループ

アリババグループは、中国ECプラットフォームシェアを約5割有している会社です。「Tmall(天猫)」「Tmall Global(天猫国際)」「Kaola(考拉海購)」など、中国国内で圧倒的なシェアを誇るECモールを運営しています。

ECモール 特徴
Tmall(天猫) ・極めて大きなシェアを獲得している中国No.1のECモール
・独自の消費者解析サービスにより、マーケティングをサポートしている
Tmall Global(天猫国際) ・中国で最も大きい越境ECプラットフォーム
・3億人の中産階級の中国消費者へのアプローチが可能
・日本商品の人気が高い
Kaola(考拉海購) ・中国越境ECを牽引するECプラットフォーム
・保有している越境EC保税倉庫面積は業界内で最大規模
・80ヶ国以上10,000を超えるブランドが出店している

それぞれのECモールが高いシェアを獲得しています。中国国内だけでなく世界的に利用されており、まさに中国最大のEC運営会社と言えるでしょう。

2.京東商城(JD.com)

京東商城(JD.com)は、中国シェアNo.2を誇るECモールを運営しています。1998年6月に設立された会社であり、元々はPC周辺機器を販売していました。現在では電化製品だけでなく、食品や日用品、家具など、さまざまなジャンルを展開しています。

京東商城がここまで成長できた主な理由は、物流ネットワークの強さです。京東物流では自社の巨大な倉庫を各地で抱えており、午前11時までに注文した商品をその日のうちに配送するなど、スピーディな配送を実現しています。

なお、京東商城は自社で仕入れた商品を販売する直販型のモデルであり、Amazonのような販売形式を取っています。

3.拼多多(​​Pinduoduo Inc.)

拼多多(​​Pinduoduo Inc.)は、共同購入のシステムを持つ中国ECプラットフォームとして、2015年9月に設立されました。

中国ではアリババグループ、京東商城に次いで第3位のシェアを獲得しています。その成長速度は凄まじく、短期間でシェア率を急激に高めています。

拼多多が短期間で成長できた理由は、ターゲット層を地方部の低・中所得者に絞ったことです。併せて、共同購入を実装して購入の敷居を下げたことだとされています。

中国の所得格差は非常に大きいため、高級モールが目をつけないターゲット層向けの販売戦略を取ることで、大多数のユーザーの獲得に成功しました。

なお、拼多多を利用して商品を展開すれば、多くの中国ユーザーにリーチできます。これは、購入者が多いほど価格が下がる共同購入システムを取っているためであり、「WeChat」や「Weibo」といったSNSにより、商品情報の拡散に期待が持てます。

中国向け越境ECのおすすめ運営代行会社3選

Business partners shaking hands

越境EC運営に不安が残る場合、代行会社に依頼するのも1つの手です。中国ECの知識を有した専門家がサポートしてくれるため、より効果的なサイト運営を行えます。

なお、運営代行を手掛ける会社は複数存在します。会社選びで迷わないためにも、以下3つの会社をご確認ください。自社に適した代行会社が見つかるはずです。

1.WPIC Technology Japan合同会社

WPIC Technology Japan合同会社」は、海外ブランドのオンライン戦略を17年以上にわたって支援しています。その豊富な経験から、現地スタッフが企業の中国進出を手厚くサポートしてくれます。

なお、日本企業向けに提供しているサービスは、大きく分けて以下の3つがあげられます。

サービス項目 詳細
デジタルマーケティングサポート ・PPC広告
・SEO対策
・Wechatマーケティング
・Weiboマーケティング
・ECモールマーケティング
・コンテンツマーケティング
Eコマースサポート ・ECモール口座開設
・天猫(Tmall)口座開設・運営
・京東(JD)口座開設・運営
・その他ECサイト
・現地スタッフによるECサポート
リサーチ・データ提供 ・マーケティング情報
・検索エンジン
・SNS情報
・ウェブ分析
・知的財産保護サポート
・売上・実績管理サポート

データ収集や分析、マーケティングなど、ECサイト運営のサポート全般を受けられるため、「初めて越境ECを活用する」という方でも安心です。

2.株式会社 ビューティフルエンジェル

株式会社 ビューティフルエンジェル」は、中国向け越境ECの運営や出店を全面的にサポートしている会社です。サポートは万全な中国語対応で、複数の中国ECモールにも対応しています。

出店手続きや運営サポートは中国本土の支社で行いますが、窓口は日本本社で日本語に対応しているため安心です。

当社は中国向け越境ECの運営実績が多数あるほか、出店後は顧客とのチャット対応でのカスタマーサポートも可能なので、「中国語対応で現地のニーズを理解したい」という事業者におすすめです。

3.Inagoraホールディングス株式会社

Inagoraホールディングス株式会社」では、コンテンツ制作やマーケティング、物流、決済など、越境ECに関するあらゆるサービスを提供しています。

当社では以下2種類のサービスを展開しています。

サービス項目 詳細
プラットフォーム事業 中国向け越境ECアプリ「豌豆公主(ワンドウ)」の運営
ブランドインキュベーション事業 中国ではまだ認知度の高くないブランドを人気ブランドにする育成サービス

本サービスは一般的な運営代行とは異なり、当社が運営する「豌豆公主(ワンドウ)」をメインに商品を販売します。

越境ECとして中国人ユーザーにリーチできることには変わりませんが、「中国の大手EC運営をサポートしてほしい」という方には向いていません。自社に適しているのか確認した上で、本サービスの利用を検討しましょう。

まとめ

本記事では、中国ECモールを運営する代表的な会社、おすすめの運営代行会社を解説しました。

市場規模の大きい中国越境ECに参入すれば、巨大なシェアを獲得できる可能性があります。しかし、誰でも簡単に参入できるわけではないため、場合によっては代行会社に頼むのも1つの手です。

「越境ECのノウハウがない」「運営に自信がない」という方は、ぜひ本記事で解説した内容を参考にし、代行会社の利用をご検討ください。

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