インターネットやスマートフォンの普及によって、近年、人気が急上昇中の越境ECをご存じでしょうか?越境ECとは、国境を越えてオンライン上で通信販売を行うビジネス形態のことをいいます。
日本国内で存在する越境ECは日本向けではなく、海外向けのサービスとなっています。日本の隣国である中国の消費者は日本の商品を多く利用しています。では、越境ECを用いて、中国の市場に参入するというビジネス形態は成功するのでしょうか?
ここでは、人気がある日本の商品の特徴について詳しく解説していきます。また、中国の市場に参入した際に、成功する為の秘訣と注意点についても紹介していきます。
目次
日本の商品の特徴
世界からの評価が高い日本の商品ですが、なぜ、日本の商品の評価が高いかをご存じでしょうか?
世界も認める日本の商品に共通している特徴は、主に2つあります。
- 品質が良い
- アイデアが面白い
ここからは、上記の特徴について詳しく解説していきます。
品質が良い
日本の商品の特徴として、品質が良いということが挙げられます。なぜなら、日本の製品は機能性が高い上に、安全性が高いものが多いからです。
下記は、日本の品質が良いとされる商品です。
- 自動車
- 電子機器
- 調理器具
- 服
- 美容製品
特に、現在の新型コロナウイルスがまん延している世の中では、世界規模でガソリンの価格が高騰しています。そのため、電気自動車の開発が進んでいる・燃費が非常に良いとされる日本の自動車の人気は先進国でも高いです。
また、調理器具と関連して日本の食品も海外では人気が高いです。世界では健康を重視する傾向が高まっており、中でも、健康食品として、味も良いとされる「和食」が注目されています。
上記のことから、日本の商品は品質が良いとされています。
アイデアが面白い
日本の商品が海外に取り上げられて、注目をされていることをテレビなどでご覧になったことはありますか?
多くの場合は、日本の百均ショップや百貨店の商品が特集されています。例えば、りんごの皮を一瞬で剝くことができる商品などが挙げられます。
上記のような商品は、世界各国で注目されアイデアが面白いとされ大きな反響を呼んでいます。
また、日本は伝統文化から現代のアニメ・漫画の文化が海外から大きく注目されています。この異なる2つの文化をかけ合わせた商品も海外では人気となっています。
日本の商品のアイデアに世界が注目していますので、越境ECでもアイデアがしっかりしている商品は売れる傾向にあります。
日本企業が成功するためには?
日本の企業が越境ECで隣国である中国の市場に参入する場合にはどのようなことを実践するべきなのでしょうか。越境ECビジネスで日本が中国の市場に参入する場合の秘訣は主に5つあります。
- 中国のニーズを理解する
- 中国で主流のECサイトに出店する
- 供給量を多めに用意しておく
- SNSで商品を宣伝する
- 輸入不可・許可制の商品を理解する
ここからは、上記の秘訣について詳しく解説していきます。
中国のニーズを理解する
中国市場で商品を販売するビジネスをする場合は、中国のニーズについて理解する必要があります。なぜなら、中国のニーズを理解することでどのような商品を販売するべきかがわかるからです。
特に、中国で人気が高い日本の商品は下記のようになっています。
- アパレル商品
- 精密機械
- 生活必需品
- 防犯用品
中国のニーズを理解した上で、日本の商品を販売することによって大きな利益が見込める可能性があります。
中国で主流のECサイトに出店する
中国で越境ECのビジネスを展開する場合は中国で主流のECサイトやECモールを通じて出店するようにしましょう。中国で主流のECサイトに出店することで高い集客力を見込むことができます。
中国の主流のECサイトに出店することによって、日本で知名度が低い企業でも商品販売のチャンスが増えます。しかし、中国のECサイトを利用する場合は決済手数料などを支払う必要があることを理解しておきましょう。
供給量を多めに用意しておく
中国という国は人口が多い国家です。そのため、商品がヒットすると商品の需要が非常に上がります。
特に、中国では越境ECの利用者が多く合計で7000万人いるといわれています。また、日本の社会現象となった「爆買い中国人」という言葉からもわかるように、中国人の方は日本の商品を大量購入する傾向にあります。
海外と取引をしていることから在庫がなくなったら仕入れをするのに時間がかかってしまいます。そのため、供給量を多めにしておくことは重要であるということがわかります。
SNSで商品を宣伝する
SNSで商品を宣伝するということも日本企業が中国市場で成功するために必要な方法です。ここで、重要なのが中国で利用率が高いSNSにて商品の宣伝をする必要があるということです。
日本では、TwitterやインスタグラムなどのSNSが人気です。しかし、中国では別の「WeChat(ウィーチャット / 微信)」や「Weibo(ウェイボー / 微博)」などのSNSが人気となっています。そのため、中国で人気の高いSNSを通じて商品を宣伝しなければ集客は難しいでしょう。
また、中国のSNSで商品の宣伝をする際には、SNSの利用者が多い若者に向けた商品を宣伝するなどの工夫をしてみるようにしてみましょう。
輸入不可・許可制の商品を理解する
中国には、他の国と同様に輸入が不可能だったり許可が必要な商品がそれぞれあります。そのため、輸入ができない商品が何かを理解しておく必要があります。
仮に、輸入ができない商品を販売しようとした場合は罰則を受けたり、商品の販売を禁止されるので注意しましょう。
中国で輸出入が禁止されている商品は下記のようになっています。
- 武器や爆発物
- 偽造通貨・偽造証券
- 違法薬物
- 生鮮食品
また、中国では輸出入が制限されている商品もあるので、その都度確認をするようにしましょう。
中国市場に参入する際の注意点
これまでは中国市場での越境ECのビジネスで成功する秘訣についてお伝えしましたが、中国市場に参入する際の注意点もいくつかあります。
中国市場に参入する際に注意することは、主に3つあります。
- 越境ECに関する新制度があることを理解しておく
- 中国語で商品の販売をする
- 中国で主流の決済方法を利用する
ここからは、上記の注意点について紹介していきます。
越境ECに関する新制度があることを理解しておく
先ほど述べたように、中国では越境ECが普及しています。そのため、政府が2019年に新たな制度を制定しました。
中国は、主に3つのことについて制定しました。
- 越境ECの電商税
- ポジティブリスト
- 取引限度額
ポジティブリストとは、越境ECで取り扱いが認められた品目のことをいいます。越境ECで中国市場に参入する方は上記の新制度について理解しておきましょう。
中国語で商品の販売をする
越境ECで商品を販売する場合は、必ず中国語で商品の販売をするようにしましょう。中国語で商品を販売していなければ、商品を購入してもらうこともできません。
そのため、中国語ができない方は翻訳を依頼するなど対策をするようにしましょう。
中国で主流の決済方法を利用する
中国の越境EC市場に進出する際には、消費者にとって利用がしやすいシステムづくりをする必要があります。中でも、決済方法を充実させるということが重要になってきます。必ず中国で主流となっている決済方法を調べて導入するようにしましょう。
特に、現在はSNSと連動して決済するシステムやモバイル決済が主流となっていますので決済の手段として把握しておきましょう。
まとめ
ここまで、日本の商品の特徴と日本企業が中国市場に参入する際の秘訣や注意点について詳しく解説してきましたがいかがでしたでしょうか。
日本の商品は中国だけではなく世界中で支持を得ています。特に、中国では越境ECのユーザーが多いので日本の商品を取引する場合は高い収益性が期待できるでしょう。
また、越境ECを用いて中国市場に参入する場合は、他のサイトやSNSを複数利用することによって集客するということが大切です。
しかし、越境ECは中国で人気が高い反面、越境ECの制度があり、注意点が複数あることを理解しましょう。注意点を理解せずにビジネスを行った場合、さまざまな不利益を被る可能性があります。そのため、事前の情報収集を怠らないことも重要です。
上記のことを理解した上で、中国市場の越境ECに参入しましょう。