越境EC(インターネット上で行う国際電子商取引)は、現在急激に市場が拡大していることから非常に注目を集めています。
ここでは、越境ECの税金の概要について説明した後に、市場が大きいアメリカでの越境EC市場について、人気商品や取引時の注意点について詳しく解説していきます。
目次
越境ECの税金事情
海外と取引をする際には、さまざまな税金が発生します。では、越境ECでも同様に、税金は発生するのでしょうか?国内とアメリカの2つの観点から越境ECでの税金の扱いについて解説していきます。
国内の観点
原則的に、越境ECで外国の方と取引をする際に国内で税金が発生することはありません。
例えば、日本で商品の売買を行う際には「消費税」が発生します。しかし、日本の消費税が課税される場合には、国内の取引である必要があります。そのため、国際間での取引の際に日本から消費税を課税されることはないということになります。
アメリカの観点
次に、アメリカで越境ECのビジネスを展開する場合には、どのような税金が発生するのかみていきましょう。アメリカは日本国内の場合と違って、税金がかかってきます。
アメリカでは、日本と違って決済時に消費者が関税や現地の消費税を支払う必要があります。そのため、オンライン上で商品の値段を表示する場合は下記の2つの方法で表示するようにしましょう。
- DDU→商品の価格に関税が含まれていない
- DDP→商品の価格に関税が含まれている
また、いずれの値段の表示方法を採用しても、サイトのヘルプページなどに税金の情報を掲載することを忘れないようにしましょう。
アメリカでの越境EC
世界有数の経済大国であるアメリカですが、アメリカでの越境ECはどのように普及しているのでしょうか。
アメリカでは、越境ECの市場が中国に次いで2番目の規模の大きさとなっています。また、日本からも越境ECを用いてアメリカの市場に参入する企業は多いです。
さらに、アメリカ国内での越境EC利用者の多くはアマゾンやイーベイなどの大手企業を利用しており、日本でも有名なサイトを利用している方が多いです。そのため、日本企業にとっては市場に参入しやすい国であるといえるでしょう。
アメリカでは新型コロナウイルスの影響もあり、越境ECの市場はさらに拡大すると予想されています。そのため、これからは越境ECに対する税金面での新法案が誕生する可能性もあります。
アメリカでの人気商品
越境ECの市場が拡大しているアメリカですが、アメリカ市場で越境ECのビジネスを展開する場合は、アメリカでの人気商品を知る必要があります。
では、アメリカ国内では日本のどのような商品が人気なのでしょうか。アメリカでの人気商品は主に5つあります。
- 衣類
- アクセサリー
- 玩具
- 靴
- 日本のアニメ・漫画関連
ここからは、上記の人気商品について詳しく解説していきます。
衣類
アメリカでは、日本と同様、衣類をインターネット上で購入するということが当たり前となっています。アメリカの越境ECユーザ-の半分以上の方が越境ECで衣類を購入しているといわれています。
アクセサリー
次に、アメリカでは越境ECでアクセサリーを購入する方が多くいます。アクセサリーは高価な商品が多いです。しかし、アクセサリーを越境ECで購入することによって安い値段で購入することができるというメリットがあります。
越境ECで販売されているアクセサリーの例は下記のようになっています。
- 時計
- ネックレス
- 指輪
- ブレスレット
- ピアス
- ネクタイピン
特に、人気ブランドの商品を定価よりも安い値段で販売することによって購入してくれる消費者を増やせます。また、期間限定で商品の値下げセールを行うなどの工夫をして自身のサイトの顧客を増やしてみましょう。
玩具
子供からの人気が高い玩具も越境ECを通じて購入する消費者がアメリカには多くいます。特に、日本のアニメや漫画に登場する玩具は人気があります。
しかし、アメリカの州によっては玩具の種類に応じて税金が発生します。例えば、アメリカのウエストヴァージニア州では、光る玩具(花火・おもちゃの銃)が課税対象になっています。
商品を販売する前には、税金の課税対象に該当するかを確認してから商品を販売するようにしましょう。
靴
健康志向が高まっている現代ですが、越境ECの市場でもその影響は大きく現れているようです。アメリカでは、衣服の人気が高いと共に靴も人気が高いです。
しかし、アメリカには靴のブランドが多いため、アメリカ発祥のブランド製品は購入率が低いです。そのため、日本発祥のブランドや日本の限定モデルの靴を販売すると購入率は高くなります。
もしくは、日本の伝統商品である草履などを着物とセットで販売するという方法も購入率が上がる可能性があります。
日本のアニメ・漫画関連
越境ECを利用する外国人は、日本の特徴的な商品が欲しいということから利用する方もいます。そのため、日本のアニメや漫画に関連した商品も人気が高いです。
特に、日本のアニメのフィギュアや人形などの商品を購入する方は多いです。また、衣服と関連して、アニメや漫画とコラボした服の商品も購入する方は多いです。
アメリカで商品の販売をする前には、アメリカで人気の日本アニメを事前にリサーチをしてから商品を販売するようにしましょう。
アメリカとの取り引きの注意点
アメリカでの市場規模が大きい越境ECですが、商品を販売する際には注意することがあります。これから述べることに気を付けなければ、アメリカでの越境ECビジネス展開が失敗してしまうこともあります。
アメリカと取引をする際の注意点は主に3つあります。
- アメリカの越境ECに関するの法律を理解する
- 安い価格を維持する
- 輸出入禁止の商品に気を付ける
ここからは、上記の注意点について詳しく解説していきます。
アメリカの越境ECに関するの法律を理解する
アメリカで越境ECのビジネスをする場合は、越境ECに関する法律を理解する必要があります。なぜなら、越境EC向けの法律を理解しなければ、他の人よりも不利になるからです。
例えば、アメリカには、越境ECに関する法律であるEコマース法律が存在します。最低限でもEコマース法律を理解しておきましょう。
上記のような法律やルールを決めている機関は連邦取引委員会(FTC)です。疑問に思う事がある場合は連邦取引委員会に確認するようにしましょう。
安い価格を維持する
アメリカで越境ECを利用する半数の方は、「値段が定価よりも安いため」に越境ECを利用しています。つまり、値段が定価よりも高い場合は、購入率が低く、利益を見込むことは困難になります。
そのため、商品はできる限り安い値段を維持することを心がけることによって、利益を見込むことができるようになります。
輸出入禁止の商品に気を付ける
越境ECのビジネスは国境を越えて商品を売買する商売です。国境を仲介して商売をするということは輸出入をするいう行為に該当します。
国によっては輸出入が禁止されている商品がいくつか存在します。また、輸出入が制限されている商品もあります。輸出入が制限されている商品には下記のような商品が挙げられます。
- 食品
- 化粧品
- 医薬品
上記の例で挙げた商品以外にも、輸出入が禁止・制限されている商品は多く存在しています。事前に輸出入が禁止・制限されている商品を確認するようにしましょう。
まとめ
ここまで、越境ECの税金事情について詳しく解説してきた上にアメリカでの越境ECの概要と人気商品・注意点について解説してきましたがいかがでしたでしょうか?
アメリカで越境ECをする場合は、現地の情報を事前に収集することが不可欠です。情報収集をすることによって、不利益を被る事を避けることができるだけではなく、有利にビジネスを展開することができます。
特に、税金の知識は越境ECをする上で必ず必要になります。税金の情報は十分に収集するようにしましょう。
また、アメリカ以外の国に進出する際も事前に情報収集をすることを怠らないようにしましょう。
これからも、越境ECの市場は拡大するといわれています。早い段階から越境ECの業界に参入することによって、有利にビジネスを展開していきましょう。