スマートフォンの普及率が上がっているのと同時に、実はインターネットを通じて買い物をするという方も増えています。みなさんは『Amazon』や『楽天』などのECサイトを中心に、一度はインターネットで買い物をしたことがあるのではないでしょうか。
スマートフォンを使い、インターネットを経由してさまざまなショップの商品を購入することができるのですが、実は国内だけではなく、海外の商品も購入、あるいは販売できるということをご存じでしたか?
インターネットを通じて海外に商品を販売することを『越境EC』と呼びますが、現在その越境ECの市場規模がぐんぐんと拡大していっています。
日本では現在、市場規模の拡大によってさまざまな企業が越境ECに参戦するという動きが活発になっており、同時に企業は越境ECビジネスを行うための人材も探しています。
そこで今回は英語や中国語といった外国語のスキルを持っている方向けに、越境ECの仕組みや流れ、越境ECを行なっている企業が求めるスキルなどをご紹介していきます。
目次
越境ECとは?
まずはじめに、越境ECとはどのようなビジネスなのかについてご紹介していきます。越境ECに関わる仕事をしてみたいという方で、まだあまり越境ECについて詳しく知らないという方はぜひチェックしてみてください。
越境EC=海外向けのネット通販
越境ECとは、冒頭でもご紹介した通り、インターネットを通じて海外の顧客へ商品を販売するというビジネスのことを言います。わかりやすい例で例えるならば、アメリカの代表的なECサイト『Amazon』が挙げられます。
Amazonは、インターネット内のショッピングモール的な役割を果たしており、Amazonというモール内に複数の企業が出店しています。また、個人でECサイトを開設し、越境ECを行うという方法もあり、越境ECは大きく分けて2つの方法で行うことができます。
ECモール出店型が主流
上記では越境ECは大きく分けて2種類あるとご紹介しましたが、まずひとつめは『ECモール出店型』という方法です。
先ほどご紹介したアメリカのAmazonなどのように、1つのショッピングモールのようなECサイトにいくつものテナントが出店しているような仕組みのプラットフォームのことをECモールと呼びます。
ECモール内で欲しい商品を検索すれば、さまざまなブランドの類似商品が表示され、詳細やクチコミなどを確認し自分の好きな商品を購入することができます。
そしてもうひとつの方法は『自社ECサイト開設型』です。
自社サイト開設型は、その名の通り自社のECサイトを開設するという方法です。
1からサイトを開設することになるため、サイトのレイアウトから販売方法、決済方法など、全てを自分の好きなように設定することができます。
2種類の方法がある越境ECですが、高い集客力が期待ができ、現地の顧客にも馴染みがあることから、ECモール出店型の方法が人気となっています。
越境ECの流れ
次に越境ECの流れについてご紹介していきます。越境ECがどのような流れで進んでいくのかを理解することで、企業がどのような人材を求めているのか、どのような仕事が必要なのかがよくわかります。
今回は、わかりやすいように流れを6つのステップに分けて詳しくご紹介していきます。
これから越境ECの仕事に関わりたいという方は、ぜひチェックしてみてください。
【STEP1 土台作り】
まずはじめに『どこの国で』『何を売るか』を決めます。
ステップ1の時点ではまだ越境ECを実際に行っているわけではありませんが、実は1番大切な工程がこの準備期間になります。
ターゲットとなる国、売る商品を明確にしておかないと、途中で失敗してしまう可能性が高くなってしまいます。ターゲットとなる国で売りたい商品の需要はあるのか、販売にあたって法律や国のルール的に大丈夫な商品なのか、実際に現地で調査したり、インターネットのSNSなどを利用したりしてしっかりと調べましょう。
【STEP2 商品の仕入れ値の確認】
土台が固まったら、実際に販売する商品をどこから仕入れるのかを決めます。基本的に個別の仕入れに比べて、一括仕入れの方がコストが安くなる傾向があります。
また、輸送、保管にかかるコスト、関税などもこの時点でしっかりと調べておきましょう。
【STEP3 出店するECモールを決める】
販売する商品が決まったら、次に出店するECモールを決めましょう。どこのECモールを選ぶかによって、出店に際した審査基準、集客力、決済方法などさまざまな部分が異なります。
こちらも先ほどと同様、事前の入念なリサーチが必要となります。今後の売上を決めるとても大事な作業となるため、時間をかけてじっくりと選びましょう。
【STEP4 販売】
さまざまな準備が整ったら、実際に出店をして販売をします。ECモールに出店する場合、ECモールのルールに則って販売をするため、特別な作業は必要ありません。
【STEP5 注文〜配送】
注文が入り次第、速やかに配送の準備を進めましょう。注文から発送までの速さ、かつ丁寧さが、今後リピートするかしないかの鍵を握っています。
【STEP6 アフターケア】
越境ECの顧客との取引は、配送が終わったら終了ではありません。みなさん忘れがちな作業ですが、アフターケアこそ最も重要な作業といっても過言ではありません。
特に中国人は、問い合わせ先の返答のスピードをとても重要視します。現地の言葉でやりとりができるか、メール、チャット、電話全てに対応ができるかなど、準備段階でしっかりと体制を整えておきましょう。
越境ECを行なっている企業が求めているスキル
次に、越境ECを行なっている企業が求めるスキル、人材についてご紹介していきます。
「越境ECは聞いたことがあるけど、実際にどのような仕事なのかわからない」「海外に関わる仕事がしてみたいけど、越境ECってどんな仕事なんだろう」と思っていた方でも、上記の越境ECの流れを見ると、なんとなくどのような仕事内容なのかわかってきたのではないでしょうか。
以下では、実際に東京エリアで募集がされている越境ECの求人の中から、企業が求めているスキルや人材をご紹介していきますので、転職を検討しているという方はぜひチェックしてみてください。
越境ECや販売先となる国の知識
越境ECを行なっている企業が求めるスキルとして『越境ECに関する知識』という点が挙げられます。
当たり前ですが、越境ECに関する知識や、ターゲットとなる国でのビジネスの経験があるという方はその点が採用に有利に働くでしょう。越境ECの市場は日々変動し、ターゲットとなる国を常にリサーチしなくてはならないため、過去に越境ECに関連する仕事をしていたという方にはおすすめです。
しかし、越境ECの仕事が初めてだからダメだ、というわけではありません。今回の記事のほかにも、現在ではインターネットではさまざまな知識を身につけることができる時代です。
越境ECに関連する仕事がしたいと考えている方は、越境ECに関する基礎知識は身につけておきましょう。
多言語力
越境ECを行なっている企業が求めるスキルとして『多言語力』が挙げられます。ターゲットとなる国の言語がビジネスレベルで話せることができれば、採用はとても有利に働くでしょう。
越境ECの市場規模が大きな中国、アメリカで扱う中国や英語に関しては、必須スキルとして求められる場合も多いです。
そして、忘れてはいけないのが『日本語力』です。社内での日本人との会話だけでなく、外国人の方と日本語で取引をするという機会も想定し、基礎以上の日本語力が求められるので注意が必要です。
基本的なパソコンスキル
越境ECを行なっている企業が求めるスキルとして『基礎的なパソコンスキル』という点が挙げられます。越境ECに関する仕事のほとんどはインターネット、つまりパソコンやスマートフォンを通じて行われます。
データの入力や集計はもちろん、ワードやエクセルなどの基礎的な使い方は必須スキルとして求められます。
パソコンを扱う業務が得意だという方は、越境ECの仕事がおすすめです。
販売する商品に詳しい・興味がある
越境ECを行なっている企業が求めるスキルとして『販売する商品に詳しい・興味がある』という点が挙げられます。
就職したい企業の販売している商品についての知識や、その商品のライバル会社の商品の知識、実際に利用した際の感想など、その商品について詳しいという方や、興味があるという方は採用に有利に働くでしょう。必須スキルというわけではありませんし、就職してからでも覚えることはもちろん可能ですが、初めから備わっていると好印象です。
化粧品が好きな女性が、越境ECで化粧品販売をしている企業に勤めるなど、自分に合った商品を販売している企業を選ぶというのもおすすめです。
まとめ
越境ECの仕組みや流れ、越境ECを行なっている企業が求めるスキルなどをご紹介しました。越境ECに関する基礎知識があり、パソコンスキルや多言語が話せるという方は、越境ECの仕事にとても合っていると言えるでしょう。
それに加えて企業の理念や、企業の販売する商品に対する思いや知識があるという方は、ぜひ転職を検討してみてください。