2020年、越境ECにおいて世界最大規模で取引が行われている中国と、近年新型コロナウイルスによる「ステイホーム」でオンラインショッピングが盛んになった日本が連携を取り、新越境ECサイト「百分百(バイフンバイ)」が完成しました。
そこで今回は、百度が関わり新しくできた越境ECサイト「百分百」の概要を説明し、越境ECでビジネス発展を目指す企業に向けて、おすすめの越境EC運営代行会社を紹介していきます。
目次
百度が作った越境ECサイト「百分百(baifenbai)」
最近では、全世界でデジタル化が進み、ライフスタイルの変化や感染症の拡大による自粛生活の影響から、越境ECサイトの市場規模が凄まじい速度で発展を遂げています。そこで、東京都渋谷区にあるデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社は、2020年にとある事業を開始しました。
その前にみなさんは、中国において最大の検索エンジンを提供しているサービスをご存知ですか?
中国最大の検索サービスは「百度(北京百度網訊科技有限公司)」と呼ばれています。
そして、百度の日本法人としてバイドゥ株式会社が存在し、バイドゥ株式会社は2020年8月に、日本製品に焦点を当てた中国向けの越境ECサイト「百分百」を開設し、売買取引のサービスを開始することになりました。
百度の日本法人が百分百を開設
百分百は、初期投資を最小限に抑えながらECサイトへの出店が可能となり、テストマーケティングとして最も有効的なECサイトとなっています。
また、中国在住の消費者をターゲットとした商品の発送が可能であり、売買取引に関わるすべての決済をバイドゥ株式会社が一括して担当することになります。
バイドゥ株式会社が決済を一括処理することで、他の大手ECサイトと比較しても、低コスト・低リスクのもと中国向け越境ECの本格的なビジネス展開が可能となります。そして、プロモーションについてですが、百度が所持しているビッグデータやマーケティングツール、メディアなどを有効利用できるのも百分百の大きな魅力となっています。
百度の検索画面に広告宣伝形式で商品の情報を掲載することが可能なため、比較的容易に百分百内への商品ページに誘導することができます。
検索数・検索ワードのトレンド等を反映した広告の展開が見込まれ、さらに、広告の効果の検証などもできます。さらに、近年では、日本企業が製造した商品を中国在住の消費者へ届けるために、企業の越境ECへの参入を支援している越境ECの運営代行会社も増えました。
中国向け越境ECサイトでは、アリババグループが運営している「天猫国際(Tモールグローバル)」が特に有名ですが、中国在住の消費者により自然に接触できるバイドゥ株式会社が越境EC開拓の事業に取り組むことで、さらなる越境ECの発展が期待できますね。
百分百の特徴
中国語で百分百は100%という意味を表しています。百分百には、商品を購入する消費者が100%安心してショッピングができるように、という想いが込められているのです。
百分百は、日本で流通している商品を中国在住の消費者に販売するという形式のプラットフォームです。初期投資も少なく済むため、中小や地方の企業も参加しやすいプラットフォームです。
そして、日本の製品は中国ではかなりの人気を集めています。日本製の化粧品やマタニティ商品は特に注目を集めていて、口に入れたり肌に触れるものは厳格な審査を通過して販売されているため、消費者が安心感を持って使用できます。
また、高品質な商品への信頼も非常に高いことから、日本製の商品は長期にわたって海外からよい評価を得ています。
インバウンドビジネスから越境ECへ
今までは、日本に訪れた中国人に向けたインバウンドビジネスが日本企業にとって中国在住の消費者の需要や購入目的を確認できる最適な試験場となっていました。
しかし、新型コロナウイルスの影響でインバウンド消費がかなり低下し、また回復の道をたどるのにはかなり時間がかかるものと予想されています。
一方で、中国市場に対して接近することができる越境ECの市場規模は、2019年の経済産業省の調べによると、なんと2022年までに2兆5144億円になるということも予想されています。
このように中国市場は人口規模や購買力の高さを考慮しても、中国向けに越境ECを広げていくメリットが数多くあります。
中国独自のインターネット環境の発展によって、企業参入には解決しなくてはいけない課題も多く、安易な気持ちで越境ECを始めることは現実的に見ても厳しいです。そんな日本と中国をつなぐ架け橋となるべく、「百分百」の提供が始まったということです。
百分百を利用するメリット
百分百を利用すると、どのようなメリットが生まれるのでしょうか。
前述したことも含め、百分百を利用するメリットには以下の3点が挙げられます。
- 百度の広告を利用できる
- 出店に対する障壁が低い
- 決済もアフターサービスも安心して任せられる
百度広告を利用できるというのは、かなり大きな利点と言えます。
なぜなら、百度は中国検索シェアNo.1であり、検索エンジンからの集客を望めるからです。
中国の大手ECモールへの出店は、費用や審査など、出店するだけでもかなりハードルが高いですし、限定された企業のみが利用できるサービスとなっています。
そのため、出店障壁が低い百分百は、低コスト・低リスクで事業を開始できるため、中国進出の第一歩として利用しやすいサービスとなっています。
決済もアフターサービスもバイドゥ株式会社が一任することになるため、初めて海外に企業進出を図るという会社も不安なく越境ECに踏み込むことができます。
越境ECでビジネスを拡大していきたい企業に向けて
越境ECを利用して会社のビジネス発展を目指していきたい企業は数多く存在するのではないでしょうか。そんな企業に向けて、ここでは越境ECの有名運営代行会社を三つご紹介していきます。
株式会社飛躍
株式会社飛躍は、東京都港区に存在する会社で、ECサイトの構築や運営に焦点を当てて活動しています。
越境ECの運営代行に幅広く対応しています。
ヨーロッパや米国など、英語圏を軸として海外越境ECの運営を代行し、サイトの構築を行っています。
海外の市場を分析し、さらに競合サイト調査なども判断材料とし、コンテンツの企画から売上効果を測定をしたり、改善をしたり、という活動も行っています。
海外の消費者からの問い合わせに対しても対応ができます。また、海外のマーケットプレイスへの出店や、運営の代行も担当できます。
ebay・Amazonなどのマーケットプレイスへの出店サポートも行い、出店に関わる作業や海外マーケットプレイス内でのプロモーションまで、ワンストップで対応・処理が可能です。
そして、自社で構築した越境ECサイトと海外のマーケットプレイスを同時に運営することで、売り上げの相乗効果を期待することもできます。
NHN SAVAWAY株式会社
NHN SAVAWAY株式会社は、東京都港区にあるEC支援サービス会社で、韓国や中国をターゲットとした越境ECの運営代行を行なっています。
現地の市場調査を行ったり、翻訳や政策を担当したり、モールへの出品を代行するなども実施しています。
さらに、海外への物流方法に対応し、CS対応やプロモーションに関する処理も、ワンストップでサポートします。
また、豊富な種類へのモールに対しての出品支援を行い、運営の代行を実施しています。
特に韓国に対する越境EC事業が強く、韓国最大と呼ばれる新世界百貨店のモールであるSHISEGSE MALLの日本館をNHN SAVAWAY株式会社が運営しています。
HNHグループを軸として、1300kやQoo10、11STREET、などのモールへの出店ができます。
NHN SAVAWAY株式会社の最大の特徴としては、市場調査、外国語での顧客対応や翻訳、制作など、その一連の流れを月額固定料金制として代行していることです。
JUTOU株式会社
JUTOU株式会社は東京都中央区にある越境EC・営業コンサルタント会社です。主に中国のSNS運営の代行をしています。
また、中国における代表的なSNSである「WeChat」のアカウントを開設したり、運用の代行も行なっています。月額19,800円からWeChatでの記事を翻訳したり、配信の代行をサポートしています。
また、JUTOU株式会社はWeiboやWeChatなどのブログサービスやSNS上でのインフルエンサーリストを多く所持しています。そのため、依頼者の商品や予算に対応して、最適なインフルエンサーを選定することが可能です。
商品を使用しているライブ動画の配信を支援したり、中国のネットニュースに対して記事を配信することなども可能です。
化粧品会社では、中国向けの営業年商が5億円を突破し、部品メーカーで中国法人の売上成長率が20%を超え、素晴らしい営業実績を残しています。
まとめ
今回は、新しくできた越境ECサイトの概要を説明し、越境ECでビジネス発展を目指す企業に向けて、おすすめの越境EC運営代行会社を紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか。越境ECの需要が高まってきたこともあり、現在、越境ECサイトの運営を代行してくれる会社は数多く存在しています。
運営代行を希望する場合は、越境ECのサイト代行としてのサポート費用がどの程度かかるのかということも考慮しなくてはいけません。どの会社に越境ECの運営を代行してもらうかによっても、今後の会社の売上成果が大きく変動してくるので、慎重に選ぶようにしましょう。